クリ Castanea crenata Siebold et Zucc. / ブナ科
北海道から九州、朝鮮半島中南部に分布する落葉高木、または中高木。幹の直径は時に1m以上にもなることがあるようです。たくさん枝分かれして大きな樹冠を作ります。 樹皮は灰黒色または灰色で、やや深く縦に割れます。葉は長楕円形で先はとがり、ギザギザは先端が芒状です。
花は6~7月で新枝の脇から出ます。白いひも状に見えるのは雄花の集まりで小さな花が集まっています。雌花は雄花の下方に1つ、または2つつき、雌花の中央に見える白黄色の針状のものはめしべです。イガになる部分は緑色の部分で直径は3㎜ほど、鱗片状の総苞片とよばれるものです。
秋には総苞片が裂けておなじみのクリの果実が1~3個顔を出します。果皮が硬く裂けないので堅果と呼ばれます。 堅果の大きさにはかなりの変異があり、現在食用にされているのは主に栽培種です。野生のものはシバグリと呼ばれ堅果は小さいですが、縄文時代からクリは食用、材木として長く利用されてきました。材は堅く水湿にも強いので家の土台、柱などの建築、枕木、家具、器具などに用いられます。
2025.6