ネズミモチ Ligustrum japonicum Thunb. / モクセイ科
山地に生える常緑小高木。本州、四国、九州、沖縄、朝鮮半島、台湾、中国に分布します。名大構内の林の中にも生えています。
果実がネズミのフンに似ていることと、樹皮がモチノキに似ていることよりこの名が付けられたようです。葉は先のとがった楕円形で無毛、厚みと光沢があります。葉縁はなめらかです。花は6月で、白い小花が長さ5~12㎝のまばらな円錐状につきます。一つの花は長さ5~6㎜、ろうと状で花弁の中ほどまで切れ込み反り返ります。おしべは2本、めしべは1本です。花の後にできる果実は楕円形で長さ8~10㎜、黒紫色です。中には種子が1~2個入っています。
よく似ているものに中国原産のトウネズミモチがあります。葉しかないと両者見分けがつきにくいのですが、葉を日に透かしてみるとトウネズミモチの葉脈は透き通ってきれいに見えるのが特徴です。どちらも果実は女貞子(じょていし)と呼ばれ、滋養強壮の薬に利用されます。葉も樹皮も効能は違いますが薬用です。現在の流通の主流はトウネズミモチ由来のようです。
2025.1