シャリンバイ Rhaphiolepis indica (L.) Lindl. var. umbellata (Thunb.) H.Ohashi / バラ科
宮城、山形県以西の主として海岸に生える常緑低木。朝鮮、台湾、中国、フィリピン、ボルネオにも分布します。高さは1~4m、葉は革のような質感で互い違いに出ます。ふちには浅くギザギザが出ることもあります。裏面は淡緑色で網目状に葉脈が広がっています。枝先の葉が付く間隔は狭く、枝が伸びると車輪状に出ているように見えること、春に咲く花がウメに似ていることからこの名が付いているようです。
花は4~5月で円錐状にまとまって付きます。一つの花の直径は1~1.5㎝ほど、花びらは白色で5枚です。栽培種にはピンクがかった色もあるようです。果実は直径10~12㎜の球形で秋から冬にかけて黒紫色に熟します。やや白っぽく粉をふき、一見ブルーベリーのようにも見えますが、中はほとんどが種子で、中は大きな子葉がほとんどで食べられません。乾燥や大気汚染に強く、また刈り込みにも強いので庭木や公園木、道路脇に植えられます。また樹皮や根、材はタンニンを多く含むので染色に用いられます。大島紬はシャリンバイを煮出した汁によって染められています。
2023.12