キキョウ Platycodon grandiflorus (Jacq.) A.DC. / キキョウ科
北海道から九州、中国、朝鮮、ロシアに分布する多年草。観賞用として栽培され、園芸種もたくさんあるのですが、野生のものは少なく絶滅危惧種です。茎は直立し、高さ40~100㎝、まれに上方で枝分かれします。葉は互い違いにつきますが、時に向かい合ったり輪のようにつきます。
花は茎の頂上に数個つき、つぼみは風船のようにぷっくりと膨らんでいます。青紫色の花は花びらの先が5つに裂け直径は3~5㎝、淡紫色や白色もあります。キキョウの花はめしべの周りを囲んでいるおしべが先に成熟し花粉を放出します。花粉を出し切っておしべは花の底面に倒れます。
蜜を求めてやってきた昆虫は未成熟のめしべの外側についた花粉を体につけて他の花に運びます。おしべが倒れて数日後、やっと雌しべが成熟して先端が5つに裂け、白い部分で昆虫から運ばれてくる花粉を受け入れます。「雄性先熟(ゆうせいせんじゅく)」と言い、自家受粉を避ける仕組みの一つです。
2022.7