ハマゴウ Vitex rotundifolia L.f. / シソ科
本州以南、韓国、台湾、中国、東南アジア、太平洋諸島、オーストラリアに分布する落葉小低木。海岸の砂浜に生え、植物全体に香りがあります。茎は地中や地上を長く這い、枝が立ち上がって高さ30~70㎝になります。楕円形の葉は向かい合ってつき先端は丸いです。茎にも葉の表裏どちらにも毛があります。特に葉の裏側は顕微鏡で観るとビロードのような微細毛が密生していて、毛のために灰白色に見えていることが分かります。
花は7~9月。淡青紫色の花を枝先に円錐状につけます。一つの花の大きさは1.5㎝程度、ろうと状で5つに裂け、下側の花びらは大きく目立ち、花の中心から外に向けて白い短毛があります。おしべ4本とめしべ1本は飛びだし、めしべの先端は2つに裂けています。花の後、秋にできる直径5~7㎜の球形の果実は「蔓荊子(まんけいし)」と呼ばれ鎮静や消炎の生薬となるようです。冬になると葉は枯れ落ちますが、春になると芽吹いて伸び広がります。
2024.7