タヌキマメ Crotalaria sessiliflora L. / マメ科
日当たりのよい草地に生える一年草。乾いたところよりも、湿地の周辺など少し湿り気のある所の方がよく育ちます。高さは20~70㎝。全体に毛があり、特にがくには褐色の長毛が密生してよく目立ちます。葉は細長く互い違いにつき、基部には1対の線形の小さな托葉があります。マメ科の葉は複数の葉で構成されているものが多いのですが、タヌキマメは珍しく1枚で一つの葉です。
花は夏の終わりごろから秋にかけて、茎の頂上に青紫色の花を2~20個ほどつけます。下から順に1,2個ずつ咲いていきます。花の後には長さ1~1.5㎝の豆果ができますが、がくも一緒に大きくなり、隠れたままであまり見えません。果実は無毛で中には直径2㎜ほどの種が数十個あり、熟した果実を振るとカラカラと音がします。
「タヌキ」と呼ばれる由来にはいくつかの説があるようです。中国名では「野百合」といいます。すっと伸びた細長い葉をユリの葉に見立てたのでしょうか。緑肥や薬用としても用いられているようです。
2025.9