シコクビエ Eleusine coracana (L.) Gaertn. / イネ科
東アフリカの高原地帯が原産地の一年草。インドを経て東アジアに伝わり、縄文時代の後期に中国から日本に伝えられたとされます。高さ1~1.5mほど、茎は硬く直立し、よく分かれます。葉は長さ20~40㎝、幅7~15㎜で細長いです。至って強健なので栽培には手間がかからず、節の途中から根が出れば、切り取って植えても育つほど丈夫です。
春に種まきをし、穂が出るのは夏です。小穂(しょうすい)と呼ばれる小さな花の集まりが2列に並んで穂をつくり、これが数本まとまって放射状に広がります。開花といっても花びらはなく、苞えいと呼ばれるものが開いておしべとめしべが露出し、風を利用して受粉をします。果実は直径1.5~2mmほどの球状で、実ってくると穂が曲がった指のように見えてきます。
英語でfinger(指)millet(雑穀)と呼ばれるのはこの姿が由来のようです。コメが普及する前は粒のままお粥や、粉にして団子などで食されました。現在の日本では食用よりも飼料作物として栽培されることが多いです。
2023.11