ツルソバ Persicaria chinensis (L.) H.Gross / タデ科
房総半島以南の本州太平洋側、韓国、中国、台湾、東南アジアやマレーシアなど暖地の海岸近くの林縁に生える多年草。名前の通りソバに似た花を咲かせ、茎はツル状に伸び時に2ⅿほどにもなります。葉は毛がなく先のとがった卵型で長さ5~10㎝、互い違いにつきます。茎は赤みを帯び、葉が出ている所には薄い膜質の托葉があります。托葉は葉が変化したもので、小さな葉を守る役割があると言われています。花は5~11月と長く、赤みを帯びた白色の小さい花が10~20個ずつかたまって枝先につきます。花びらのように見えるのはがくで5つに裂けています。花びらはありません。花の後、がくは多汁質になり黒い果実を包みます。食用にもされているようです。ツルソバには自分の花粉では実を結ぶことができない性質があります。観察園では1本の枝を挿し木して育てたので残念ながら果実ができない状況です。
2021.11