砂漠の砂 (Egypt)

◇産地と採取者:リビア砂漠(エジプトのピラミッド群がある付近)で,1962年,諏訪兼位が採取。

◇特徴:砂漠の砂は,川砂や海浜の砂とはまったく異なった特徴がある。 いわゆる“磨りガラス模様 (frosted texture)”が粒子の表面にみられること,また,“砂粒 (sand grain)”の外形が丸いこと,この2つである。 それらの特徴は古くから知られており,とくに粒子の表面組織については特記されることが多い。しかし,これらの特徴について,詳細に検討してみる 必要がある。それは,磨りガラス模様がどの程度発達しているかという点,また,砂粒とはどのくらいのサイズを指すのかという点,また, 丸いとはどの程度の丸さを持った外形を示すのかという点,等については具体的な検討が必要である。

これらについて,実際の砂漠の砂を例にして,述べることにする。一方,外形や表面組織などを特徴づけるのは,明らかに 粒子の“磨滅作用”である。いわゆる砂漠の環境では,この作用を起こす原因は風以外には,考えられない。風に飛ばされた粒子が 互いに衝突したり,あるいは堅い岩石にたたきつけられたり,何度も何度も繰り返して起こった結果がこのような 特徴をもった砂漠の砂をつくりだしたのであろう。そのような現象についてもここで論ずることにする。
<砂漠の砂の表面組織について>